すらすら租税法研究ノート。

租税法に関する勉強と思考を書きます。

文献調査

読書ノート「消費税はエスカレートする」

本日のお題はこちら。 消費税はエスカレートする (岩波ブックレット)作者: 北野弘久出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1989/06/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 「直接税の場合には、税法上は納税義務者と担税者とが一致することが予定されて…

文献調査「消費税制度成立の沿革」(その1)

最近、経済学ネタばかりで租税法がお留守になっておりましたが、 私の本業はやはりこちらです。 本日のお題はこちら。 消費税制度成立の沿革出版社/メーカー: ぎょうせい発売日: 1993/06メディア: 単行本この商品を含むブログを見る大平内閣の「一般消費税」…

消費税法文献・論文サーベイ(その1)

東海大学の西山由美教授は消費税に関する興味深い論文をたくさん執筆されています。 必読です。消費税の中長期的論点 : EU付加価値税からの示唆東海法学 39, 107-118, 2007消費課税における競争中立性--「ガストン・シュール事件」を素材として税法学 (540),…

納税の法的義務とその帰着。

法人企業は、法律上の税支払い義務はあっても、最終的に負担する主体にはなり得ません。法人課税は、一般に生産要素(労働・資本・・)所有者あるいは生産物購入者(消費者など)へ税の転嫁をもたらすことになります。 どの主体により多くの税の負担が帰着す…

消費税は付加価値税ではない?

付加価値税は実は付加価値に対する税ではない、と。租税図書館にもないので、国会図書館へ依頼するか。うーむ手間がかかるなあ。中村一雄(1971),付加価値税の分析視点,神戸大學經濟學研究年報,18巻,pp.84-111しかし、1971年の論文ですよ。 他で引用され…

転嫁の周知と国民的理解。

「間接税」とは、立法者により転嫁が予定されている税金ではありますが、実際に転嫁を行えるかどうかは、取引における力関係によります。 主税局長・国税庁長官・大蔵事務次官を歴任した尾崎護氏も、売上税法案廃案後に書いたエッセイ風の「売上税独り語り」…

銀行業と消費課税。(その3)

Taxation Of Financial Intermediation : Theory And Practice For Emerging Economiesこの文献中には、1995年〜96年に欧州の金融機関10社の協力で行われたTCA(税額計算勘定)付キャッシュ・フロー税のパイロットテストについて書かれているそうです。 …

ネットで無料で読める租税法論文。(海外編)

National Tax Journalは発刊後2年を経過したものは登録無しで全部、無料で読めるようです。有難や〜 Howell H. Zee,A New Approach to Taxing Financial Intermediation Services Under a Value–Added Tax,2005 金融機関に対するリバースチャージ法による付…

付加価値税、文献調査メモ(その1)

付加価値税について長い歴史を持ち、税率も高い欧州では「金融取引と付加価値税」についても様々な研究論文や調査がまとめられている、と。 記録しておかねば。Value Added-Tax: a study of methods of Taxing Financial and Insurance Serviceshttp://ideas…