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すらすら租税法研究ノート。

租税法に関する勉強と思考を書きます。

個別消費税と一般消費税。

酒税・たばこ税・ガソリン税、あるいは廃止された物品税など、
個別消費税を財政学の視点から支える論点は、3つあります。

①贅沢品に対する重課。
 垂直的公平(負担能力がある者には重く税を課する)という視点から、贅沢品に対する重課が正当化されます。
 しかし、何をもって「贅沢」であるかを今日の多様な商品が流通する市場で指定することは容易ではありません。個別消費税により、課税される商品の消費は抑制され、経済的選択が撹乱されます。

②外部性の内部化。
 外部性とは、企業等が行う生産活動により、他の企業や消費者が付随的に影響を受けることをいいます。
 例えば、工場騒音などは「負の外部性」ですし、工場の集積により街が人口があつまり、文化が発展するのは「正の外部性」です。
 個別消費税により、この負の外部性を打ち消したり、正の外部性を抑制したりすることができる、と説明されます(ほとんどの場合、租税により抑制を目指すのは負の外部性の方です)。
 しかし、ある個別消費税を課すことにより、外部性を正確に打ち消せるかは完全な情報を持っていない限り、かなり困難であると考えられます。

③超過負担の最小化。
 課税はどのような形であれ経済活動を歪めます。この歪みにより、国庫にも入らず、誰の利益(厚生)にもならず社会から損失として消えてしまう超過負担が生じます。
 超過負担を最小化するためには、価格弾力性が低い財への重課を行うべきであるとの結論が導かれます。
 価格弾力性が低い財、とは、値段が上がっても消費を減らすことができない財、つまり食料品などのことを指します。
 効率の観点からは正しいにしても、公平の視点からは到底受け入れられる論点ではありません。

これらは個別消費税に関する教科書レベルの議論です。
では、一般消費税(現行の消費税は一般消費税です)はどうでしょうか。
これから考えていきたいと思います。