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すらすら租税法研究ノート。

租税法に関する勉強と思考を書きます。

非居住者、あるいは国外への波及?

消費税は内国税であり、その課税対象は「国内において行われた」ものに限られます。
当然、資産の譲渡等(役務提供も含む法令上の表現)の相手が「誰」であるかは無関係であり、販売・サービスした相手が日本人(居住者)及び内国法人に限定されるものではなく、非居住者・外国法人であっても課税対象であることに変わりありません。

さて、いつもの金融取引です。
お金には色がつきません。非居住者が日本国内で調達した資金をどのように使用しているかは、資金の提供を行った側では知り得ないわけです。
国税庁HPに掲示されている質疑応答事例では、下記のような例示が挙げられております。

外債の受取利子で輸出取引とみなされるもの

この質疑応答事例によりますと、非居住者(外国法人)が日本国内で発行した債券(円建てのものは通例、サムライ債と称されます)の利息は課税売上割合の計算上、輸出免税である、とされております。これは、外国法人の日本支店を経由して利子を支払った場合も同様です。
理由として、解説書では、「サムライ債発行による資金調達が、国内では使用されないから」と説明されているのも見かけます。

一方、外国法人の日本支店へ証書貸付形式で貸出し、利息を受け取った場合は外為法上、日本支店が居住者と取り扱われることから輸出免税ではなく、通常通り非課税取引であるとされます。*1

しかし、サムライ債で調達した資金を日本国内での事業に利用するかもしれませんし、証書貸付で調達した資金を海外で使用するかもしれません。

このように債券か、証書貸付であるかという私法上の契約形式だけで、法令ではなく質疑応答事例で輸出免税か非課税かを切り分けしているのはあまりに経済的実態を無視した実務であり、納税者へ不利益をもたらすものであると考えます。

金融取引は日々発展し複雑化しています。
このような私法上の契約で税務処理を切り分けするのは限界に来ているのではないでしょうか。

*1:消費税法の非居住者の概念は、外為法を借用しています。