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すらすら租税法研究ノート。

租税法に関する勉強と思考を書きます。

部分的な中立性に価値はあるか?

課税自体は民間から政府への所得移転に過ぎず、何ら新しい価値を生み出すものではありません。
課税による機会コストは、課税がなければ創出されていただろう付加価値を損なう逸失利益(超過負担)のことになります。

租税原則「公平・中立・簡素」のうち、中立とは課税が企業や家計などの経済活動を歪めないことを要請しておりますが、課税は必ず超過負担をもたらす*1ので、これは理想論に過ぎません。

実際の税制は、さまざまな租税特別措置で政策減税を行ったり、中小企業に有利な「政策的配慮」をおいており、このような特別措置や配慮を受けられない企業との間で、競争条件の不公平を引き起こしております。
中立性はせいぜい、自社・自社業界に有利な税制を引き出すため、あるいは不利な競争条件に置かれていると感じる場合にそれの是正を求めるという「方便」として使われているのではないか、とも感じます。

一挙解決願望を望みたい誘惑もありますが、税制に関しても漸進的な改良を積み重ねていくのしかないのでしょう。
それでも、漸進的な税制改正の「速度」を巡る争いばかりで、税制のグランドデザインが示されないのがなんとも残念であります。

*1:モデル化された完全競争市場では課税による歪みは生じないと聞きます。勉強中。