金融機関と信頼。
倫理や公正という概念は曖昧なもので、
一人ひとり、その基準は異なるのではないかと考えられます。
今般の金融危機対応に限らず、
金融市場や金融機関に対する規制や公共政策が
保護主義の立場に立って過度の規制や
誤った規制を生み出してきた歴史があります。
経済学者が考える標準的な見解によれば、
企業の社会的責任とは企業価値を高めること、
わかりやすくは株式市場における価値を
あげることであり、企業活動の社会的影響への配慮は
企業行動の経済的外部効果を考慮した意思決定の
範囲に限定されるべき、とされます。
つまり、利益をあげて1株当たりの価値を向上させることが
最大の責務であり、経済的外部効果にはそれほどの
考慮をおくべきではないと。
金融機関の行動が起こす負の外部性は
昨今の例では略奪的貸付により郊外の
住宅コミュニティが破壊されてしまったことなどでしょうか。
しかし、金融機関は「信頼」が企業の取引を決定するうえでの
決定的な要因である場合は、企業行動に対する社会的評価は
経済外部効果にとどまらず、行動倫理の確立により
顧客の信頼を確保し、利害対立や紛争を処理するための
コストを回避する明確な手段となります。
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これに関しましては、金融機関、及び金融機関以外の
一般事業会社についても少々考えました。
こちらは学問的に思考する場ですので、
続きは「すらすら日記。」へ。