文献調査「消費税制度成立の沿革」(その1)
最近、経済学ネタばかりで租税法がお留守になっておりましたが、
私の本業はやはりこちらです。
本日のお題はこちら。
- 出版社/メーカー: ぎょうせい
- 発売日: 1993/06
- メディア: 単行本
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大平内閣の「一般消費税」、中曽根内閣の「売上税」を経て竹下内閣で成立した消費税まで。本の監修は竹下元総理その人が名前を出し、序文を寄せています。巻末に200ページほど国会質疑や税制調査会や公正取引員会の貴重な資料が山盛りです。
本日は巻末の公正取引委員会の資料と消費税還元セールについて、少々。
(他の方のも引用させていただいております。)
「消費税を事業者が負担している旨を、その根拠があいまいなままことさら強調することにより、その販売価格等が他に比べ有利であるかのような表示」公正取引委員会「消費税の転嫁と独占禁止法についての手引」昭和63年で景品表示法に違反すると考えられる例示として挙げられています
— すらたろうさん (@sura_taro) 2013年3月9日
私は法解釈の専門家ではありませんが、「消費税還元セール」はこれに引っ掛かるんじゃないかなあ、と思います
— すらたろうさん (@sura_taro) 2013年3月9日
「事業者または事業者団体が「消費税の円滑かつ適正な転嫁を行う」旨の宣言を行うことは、税法を遵守するという趣旨にとどまる限り問題ありません」公正取引委員会、同手引。なお、消費税法そのものには「転嫁」については何も規定がありません。あくまで税制改革法にその宣言的な条文があるのみ
— すらたろうさん (@sura_taro) 2013年3月9日
「消費税はサービスしています」「消費税額を値引きしています」もアウトです。さて、平成9年以来、17年ぶりの税率引き上げとなりますが、何が起きるやら。。
— すらたろうさん (@sura_taro) 2013年3月9日
【メモ】税制改正と会計検査院 会計検査研究No.23(2001.3)(三木義一・立命館大学法学部教授)jbaudit.go.jp/effort/study/m… (PDF) ※題目「2.2消費税は預かり金か?」に、「消費税還元セール」についての争点を概説
— 楽天家業(FP)さん (@rakuten_kagyou) 2013年3月9日
@sura_taro 還元セールは過去に存在したと思うのですが、公取は注意はしなかったのでしょうか。
— OIS hihiさん (@oishihi) 2013年3月9日
(承前・抜粋)東京地裁平成2年3月26日判決で争われた簡易課税制度の合理性に関して(中略)「事業者が取引の相手方から収受する消費税相当額は,あくまでも当該取引において提供する物品や役務の対価の一部」であり,同判決も「消費者の負担する消費税分は,その本質が対価に過ぎない」としている
— 楽天家業(FP)さん (@rakuten_kagyou) 2013年3月9日
@sura_taro 考えてみれば「いただいておりません」や「還元」は税の否定にも聞こえます。税率引き上げ分値下げします、ならギリギリかもしれませんが、税という語を使うのは違反とみなされる可能性がありますね。条文そのものではなくて行政の解釈ですけどね。
— OIS hihiさん (@oishihi) 2013年3月9日