すらすら租税法研究ノート。

租税法に関する勉強と思考を書きます。

2012-12-01から1ヶ月間の記事一覧

所得税の空洞化を考える。

日本の所得税が抱えている問題点として次の3つが指摘されます。 ①所得控除が大きく、低中所得者のみならず、高所得者の税負担も大幅に軽減されている。 ②ほとんどの世帯において、社会保険料の負担は所得税に比べて大きい。 ③年金世帯の税と社会保険料負担は…

金融機関と信頼。

倫理や公正という概念は曖昧なもので、 一人ひとり、その基準は異なるのではないかと考えられます。今般の金融危機対応に限らず、 金融市場や金融機関に対する規制や公共政策が 保護主義の立場に立って過度の規制や 誤った規制を生み出してきた歴史がありま…

資本を保護せよ。

資本は、利潤を生み出す「元手」であり、無くならない限り再投資されて次々と新しい利潤をもたらしてくれます。 一方、同じ生産要素である「労働」は一日の仕事で疲れ果てても、食事をして休息して睡眠を取れば、再び活動できるようになります。第二次大戦後…

部分的な中立性に価値はあるか?

課税自体は民間から政府への所得移転に過ぎず、何ら新しい価値を生み出すものではありません。 課税による機会コストは、課税がなければ創出されていただろう付加価値を損なう逸失利益(超過負担)のことになります。租税原則「公平・中立・簡素」のうち、中…