すらすら租税法研究ノート。

租税法に関する勉強と思考を書きます。

新・独学者のための租税法研究入門。(その3 条文解釈編)

法律の学習は条文に始まり、条文に終わると聞きます。
租税法も法律学の一分野ですから、条文の重要性はいくら強調しても強調しすぎることはないはずなのですが・・

税務(税金計算の技術。経理実務に近い税会計処理のこと)から入った方は、どうしても事例などを集めた実務書に頼ってきたためか、法律条文を読むことに抵抗があるのかもしれません。

また、税法の条文は「一読難解、二読して誤解、三読して不可解」とも言われるくらい読みにくく、特に近年改正された組織再編税制や連結納税の法人税法や、租税特別措置法はカッコ書きが多重になってもはや何が書いてあるのか完全に意味不明状態・・

とはいうものの、法学の学習で条文を読まないと議論の入り口に立つことすらできません。

そこで、税法条文を読む助けに、下記の書籍を活用しております。

税法の読み方 判例の見方(改訂第3版)

税法の読み方 判例の見方(改訂第3版)

私が持っているのは紙の本ですが、kindle化もされて手軽に読めるようになりました。
税法の構成から解釈の方法、基礎的な法令用語の解説から判例の読み方まで詳細に解説されております。

上記と内容が一部重なりますが、法令用語の読み方の解説。
「その他」「その他の」の違いとか、「無効」「取消し」など、基本的な法律用語から、発展的なエキスパート分野内容までの使い分けと意味がまとめられております。

新法令用語の常識

新法令用語の常識

酒井克彦先生の租税法テキストシリーズのうち、「フォローアップ租税法」が条文・判例の読み方に充てられています。

フォローアップ租税法―租税法研究の道しるべ

フォローアップ租税法―租税法研究の道しるべ

後半には租税法論文を執筆するにあたっての資料収集のノウハウなども記述されております。

これらを参照しつつ、条文・判例を読む訓練をすれば、学習がうまく進められることと思います。