2014-01-01から1年間の記事一覧
保険医療は消費税法上、社会政策上の配慮を理由として「非課税」とされている。 疾病という状況にある国民に税負担を求めるのは適切ではない、という立法者の政策判断によるものである。 しかし、保険医療を提供する医療機関は、消費税非課税の効果として自…
さて、第10回です。 今回は消費税法を専門に研究されている租税法学者を紹介いたします。 まずは、明治学院大学の西山由美教授。 西山由美 教授 | 明治学院大学 経済学部 西山由美教授はドイツ売上税(付加価値税)の研究からはじまり、日本の消費税法につい…
どの学問分野でも基本的作法というものがあります。 議論を進める上で、共通の理解が前提として存在しないと、既に決着済みの論点を繰り返すことになったり、あるいは自己流で無理な解釈を示すことにもなりかねません。 今回は、政府税制調査会の答申、なか…
「独学者のための租税法研究入門」は1回お休みしまして、「研究」に入る前に読むべき、無料でネットで学べる税法入門を紹介いたします。 やさしい税金教室-日本税理士会連合会 日本税理士連合会の「やさしい税金教室」「こんなときこんな税金」。毎年更新さ…
その8です。 「独学者のための租税法研究入門。」ですので、集めた税金を「使う方」はまた別の分野です。しかし、租税法を学ぶためには周辺知識も重要ですので、簡単な財政学及び経済学の知識があると重宝いたします。 財務省が毎年編集しているこちらで基…
その7です。 例の富岡幸雄名誉教授のトンデモ本で傷つけられている中央大学の名誉回復のために、今回は中央大学の優れた租税法学者を紹介いたします。 しかし、OBとはいえ、あんな錯乱した方がいたら嫌ですね。。 まだOBだから我慢できますが、同志社大学と…
第6回です。租税法研究にあたりまして、判例の学習は必須です。 大島訴訟(サラリーマン税金訴訟)など、租税法の合憲性にまで踏み込んだ重要な判決文は、繰り返し読み込んで司法の考え方を学びたいところです。 租税判例の学習書としてはいろいろ出ておりま…
その5です。 京都大学の租税法学者たちの紹介は少々、難しい本ばかりでしたので、今日は時事的な判例紹介などもある租税法の雑誌を紹介いたします。 租税研究 公益社団法人 日本租税研究協会|出版物 シャウプ勧告に基づいて設立された公益社団法人日本租税…
第4回です。学者紹介編で、前回は東京大学の金子宏名誉教授とそれにつらなる方々を紹介いたしましたが、今回は京都大学の清永敬二名誉教授、その弟子である岡村忠生教授、そのさらに弟子である租税法学者たちを紹介いたします。 岡村忠生京都大学教授の著作…
さて、第3回です。京都大学(出身)の租税法学者たちの紹介は次回にしまして、今回は租税法論文の検索方法を紹介したいと思います。 例えば、CiNii(サイニィと読みます)で論文を検索しようとしても、漠然としたキーワード(交際費・寄附金・移転価格税制・…
第2回です。租税法学者といえば金子宏名誉教授くらいしか存じ上げておりませんでしたが、世の中にはたくさんの租税法研究者がいらっしゃいます。 何人かご紹介したいと思います。あくまで私が勉強した範囲の中ですので、独断と偏向が混じっているかもしれな…
試行錯誤して回り道をしてしまった自分の轍を踏んで欲しくないので、どれだけニーズがあるかわかりませんが、「独学者のための租税法研究入門」を書いてみます。 なお、「租税法研究入門」であり、税金計算の実務=税務の入門ではありません。こちらを読んで…
繰越欠損金は、原則として発生させた(赤字を計上した)法人のみが使用できるものであり、他の法人へ売却したり、移転させたりすることはできません。 しかし、平成13年にはじまった組織再編税制により、一定の条件(支配関係・みなし共同事業要件。税制適格…
本日のお題はこちら。租税法入門 (法学教室ライブラリィ)作者: 増井良啓出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2014/03/28メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る世に「入門」と銘打った初学者向けの易しい本はあふれております。 本…
日本の税法体系では、租税回避行為を否認するためには明文の法律の規定が必要であるとされます。 「○○については、損金に算入しない。」という規定(個別否認規定)が存在しなければ、納税者の行為が社会的に不公正だ、と感じられても否認できないというもの…
続きです。租税法 第5版作者: 水野忠恒出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2011/04/28メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログを見る「必要経費の規定が存在しない限り、粗収入や総所得に対する課税はむしろ消費課税に近づく・・所得税として位置付…
本日のお題はこちら。 三木義一「中小企業特例と前段階税額控除について」現代税法と人権作者: 三木義一出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 1992/09メディア: 単行本この商品を含むブログを見る「付加価値税をすでに実施している国々において、なお検討課題と…
本日のお題はこちらから。欧州付加価値税ハンドブック―27カ国のVAT税制と実務問題作者: 天野史子,税理士法人プライスウォーターハウスクーパース出版社/メーカー: 中央経済社発売日: 2009/09メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログを見るこちら…
本日のお題はこちら。 西山由美「VATの最新動向と課題」税務弘報 2012年 07月号 [雑誌]出版社/メーカー: 中央経済社発売日: 2012/06/05メディア: 雑誌購入: 2人 クリック: 19回この商品を含むブログ (1件) を見るこちらに収録されています。消費課税をめぐる…
本日のお題はこちら。証券税制改革の論点作者: 証券税制研究会出版社/メーカー: 日本証券経済研究所発売日: 2012/09メディア: 単行本この商品を含むブログを見る今般の金融危機で、各国政府は金融システムの安定化のために巨額の財政資金投入を余儀なくされ…
本日のお題はこちら。消費税の制度と理論 (租税法研究双書)作者: 水野忠恒出版社/メーカー: 弘文堂発売日: 1989/12メディア: 単行本この商品を含むブログを見る「金融仲介サービスも、資本及び労働を必要としておりそこには付加価値が生じるのである・・金融…
本日のお題はこちら。本日のお題はこちらでした。市澤正昌「金融機関に対する付加価値税の検討」http://t.co/V6nCodsROy— すらたろう (@sura_taro) 2014, 3月 23「金融機関は多額の付加価値を生産しているにも関わらず、消費税納税額は過少化され他産業との…
本日のお題はこちら。タックスシェルター作者: 中里実出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2002/07メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (1件) を見る「企業において付加価値が生み出されていないにもかかわらず、いわば付加価値以外の異物を消費…
ドイツでは売上税(付加価値税)の軽減税率の廃止議論が起きているそうです— すらたろう (@sura_taro) 2014, 3月 9 ドイツ売上税は、標準税率は19%ですが、食料品などに7%の軽減税率が適用されています。これを廃止したうえで、標準税率を16%に引き下げし…
本日のお題はこちら。金融取引の課税問題 (租税法研究 (第24号))作者: 租税法学会出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 1996/10メディア: 単行本この商品を含むブログを見る少々、古いですが・・「金融仲介機関が利用者から徴収する『対価』は、金融サービスの対…
続きます。ベーシック税法 第7版 (有斐閣アルマ)作者: 岡村忠生,渡辺徹也,高橋祐介出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2013/04/15メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る話のつかみとして、王様ミクロからの引用を掲示いたします。ミクロ…
本日のお題はこちら。ベーシック税法 第7版 (有斐閣アルマ)作者: 岡村忠生,渡辺徹也,高橋祐介出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2013/04/15メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る租税回避の定義(通説)。①税法上、通常選択されるであろ…
本日の読書ノートはこちら。租税法 第5版作者: 水野忠恒出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2011/04/28メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログを見る「間接税が消費者が負担するという限り、物品をその消費地において課税するのは当然であり、その…
本日のノート題材はこちら。新版 租税実体法―法人税法解釈の基本原理作者: 松沢智出版社/メーカー: 中央経済社発売日: 2003/08メディア: 単行本この商品を含むブログを見る「資産の値上がりによってその資産の所有者に帰属する増加益を所得として観念するの…
金融取引を消費税非課税とする理由。まずは「消費=お金を払って財貨やサービスを得る行為」と定義付け(P156~)— すらたろう (@sura_taro) 2014, 2月 23 「金利を払って借金をする場合・・・お金を払って借金というお金を得る行為であり、財やサービスを得…