すらすら租税法研究ノート。

租税法に関する勉強と思考を書きます。

金融取引と消費税。メモその1

こちらのブログは、研究材料集めのための思考メモです。
論考不足などもあるかもしれませんが、
途中経過ということで。

朴源「消費税と金融取引に関する基礎的考察」鹿児島大学経済学論集59号2003年

なぜ金融取引が「非課税」になっているのか、という疑問点はブログ筆者(私)と同じ出発点です。
金利収入が非課税になっていることにより、モデル化された国民経済が生む付加価値(消費型付加価値)よりも、国庫に納入される消費税額が少なくなってしまっているという指摘は興味深い。
ただし、それが資金の「借り手」へ全て転嫁されてしまうという論の進め方は実態に合わないと考えられます。
実際には、控除対象外となった仕入消費税額は、借り手、従業員、株主へそれぞれ転嫁されるのではないかと。
ただ、この転嫁の「割合」は公表財務諸表からは読みとれません。
来年以降の税率引き上げの際に、各行へアンケートを出すなどの方法により、実証的に研究するのも面白いかもしれません。

ただ、これを感覚では無く、「どこへ転嫁したか」を計数で表わすのは中の人でも難しいものと思われます。

執筆者の朴源氏は他にも面白そうな面白そうな論文を執筆されているので、これから読み進めたいと。

課題:GNP型付加価値税、所得型付加価値税、消費型付加価値税について整理すること。